はじめに 膝痛について
- 階段の上り下りに膝が痛い・・・
- 正座すると膝が痛い・・・
- 歩いていると膝が痛い・・・
そんな悩みを抱えていませんか?
この度の記事は、私たちの日常生活で何が原因で膝痛を引き起こしてしまうのか、その原因を大きく3つに分けてまとめたものです。
セルフケア法も後述しているので、是非、最後まで閲覧ください。
普通にケガした覚えはないのだけど、じわじわと酷くなる膝痛に悩まされている方も少なくないと思います。
国家資格取得、ハーフマラソン、フルマラソン、ウルトラマラソン完走者で、同時に、皆様と同じように膝痛に悩まされた経験を元に、分かりやすい膝痛の原因をご説明させていただきます。
※本記事の「膝痛」について
主に、時間がかかって痛んでしまった慢性膝痛の説明になります。
転んだり、ぶつけたりする急性の膝のケガではなく、皆様によりなじみ深い慢性膝痛を取り上げています。
専門用語を分かりやすくするために比喩表現を用いることもありますので、ご了承ください。
原因その1 太ももの筋肉量の低下
膝関節は関節の外と内に付いている靭帯は勿論ですが、膝周りについている筋肉によっても安定性を保っています。
筋肉の中でも太ももの前についている大腿四頭筋が膝の安定性に大きく関与しています。
その大腿四頭筋の筋力低下、足が細くなってしまったときに、膝の捻じれが発生してしまい、慢性膝痛というケガにつながります。
筋力低下、膝の捻じれ方、その前兆について記していきます。
内側広筋の低下
大腿四頭筋(太ももの筋肉)の内、最も膝の安定につながるのが「内側広筋」という筋肉。
ここが特に低下してくると、膝関節の不安定性へと繋がります。
この内側広筋のトレーニング法は、ネット検索すればいくらでも出てくるのですが、
私は単純にスクワットをおススメしています。
(膝が曲げる時に痛くない範囲で行うこと)
急激な体重筋力の低下
急激な体重の減少によっても、太ももが細くなり、膝の不安定さを出してしまいます。
私が診させて頂いた男性の症例をお話しします。
■元ラグビー部の30代社会人男性の【膝痛】
勿論、現役時代は筋骨隆々。太ももがかなり太く発達していたとのことでした。
現役引退して、社会人になり、スポーツをする機会が無くなると、やはり、学生時代にあった頃の体重筋肉量は減少していき、足が細くなってきたとのこと。
そのタイミングで膝痛を抱えるようになったそうです。
なぜ膝痛になったかというと、
強度なトレーニングで発達した筋肉に伴って、それ相応に骨や関節、骨格も太く厚みを持つようになり、その周りの組織(特に皮膚や靭帯)も太い足に対応した状態になるのですが、
太くなった骨、関節、骨格は、スポーツを継続しなくても太いままで、急激な体重筋肉量の減少することにより、
太い骨のままの膝関節を、現段階の痩せた筋肉や組織((皮膚や靭帯))で支えることが困難になり、膝が不安定になり、痛めてしまうためです。
このような流れで膝痛を伴ってしまうケースもあります。
小さいころから太っていた方が、急激に体重減少してしまった場合も同じことが当てはまります。
骨よりも、筋肉の方が退化弱化が早いために膝痛になることがあります。
☆QA 太っているから膝が悪い?
A 実はこれは一概にはそうとは言えません。
太っていても、足がガニ股にならなければ(股関節が外に開く状態)、膝は痛めにくいです。
しかし、太った体系で太ももが大きくなりすぎて、股が擦れてしまい、足を閉じることが困難になり、
ガニ股になることで、膝関節の形が崩れて膝痛を伴う可能性がぐっと高まります。
なので、ガニ股にならなければ、太った方でも膝痛になりません。
膝が痛くなる前の前兆
後述しますが、膝痛が起こる前の前兆として、
殆どが太ももの外側の筋肉(外側広筋)がつっぱるような感じになります。
ここがムズムズするような感じや、凝った感じが出てきましたら黄色信号、早めのケアをおすすめします。
原因その2 産まれつきの股関節の変形からくる膝痛
9割の方が生まれつきの股関節の変形を片方に持っているといわれています(もしくは両方の股関節)
産まれた赤ん坊の頃に先天性股関節脱臼を診断される以外にも、
小さな変形(関節のハマる穴が浅いなど・・・)を股関節に持っている方が殆どです。
この変形の多くが股関節の内股になる歪みを引き起こし、
膝関節までその歪みは普及し、膝痛へとつながることがあります。
これはお尻の筋力低下が原因
40歳、50歳あたりから膝痛を感じ始めるという統計があります。
産まれつき股関節の変形は、10~20代のお尻の筋力がある状態では症状をみせません。
40~50代のお尻の筋力が落ちる時期に、顕著に表れます。
そのため、膝痛は40歳、50歳あたりから発症するケースが多いです。
これはなぜなら、主要なお尻の筋肉(殿筋)の多くが股関節の骨に付着し、股関節の安定を保っているためです。
そのお尻の筋力が低下すると、股関節の保持力が弱まり変形(内股)が進み、その股関節の歪みに合わせて、
膝関節も歪み(外旋)膝痛を発症してしまいます。
どうやって股関節の歪みを確認する?
あまりにも股関節の変形がでている方には下記の症状がでます。
- あぐらをかきにくい感じがする。又は、あぐら後、股関節か膝が辛くなる。
- 開脚ストレッチ時に開きにくい
- 大股で歩くと、股関節の前が窮屈な感じがする
- 階段を二段飛ばしで歩くと股関節が痛い
上記のように、股関節の変形が出ていると、
股関節を広げるような動作を行うことで、後日、股関節周りが痛くなるケースが多いです。
病院でも使われる簡単なセルフのテスト検査ですと「パトリックテスト」というものがあります。
このテスト法では、強い変形がある方は強い痛みが股関節に出ますが、
小さな変形がある場合においても、その側の股関節の付け根に引っ掛かりを感じます。
引っ掛かりがある場合でも、将来の股関節痛、膝痛予備軍があるとして、理解した方がいいでしょう。
原因その3 過去のケガからくる膝痛
いわゆる、古傷が疼くということ
過去に大きな膝の怪我
(スポーツ時の捻挫による半月板損傷、靭帯損傷等)
をしたことがある方は、古傷となってしまい、気圧の変化がある雨の日や、膝周りの筋肉が疲弊した時に膝痛を伴うことがあります。
内側広筋を始めとした太ももの筋力を維持させ、膝の安定性を保ってあげる必要があります。
一度壊れたら正座はやらない方が◎
基本的に一度、半月板損傷等をしてしまった膝は、完全に曲げる動きによって再発を繰り返す特徴がありますので、
正座はやらないことをオススメします。
半月板や靭帯は血液が流れていない関係で、修復されない組織です。壊れたら再生できない消耗品のようなもの・・・。
なので、膝のクッションが破損した状態で、完全に膝を折りたたむことはリスクがあるのです。
セルフケアと予防
痛みがあるなら、アイシング
膝痛が起きてしまっている時は、大小少なかれ、膝関節の中で炎症が起きている状態です。
ですので、痛みがある時はひたすらアイシングすることをおすすめしています。
アイシングというと、湿布・・・が思い浮かびますが、
氷嚢や、保冷剤、アイスパックなどでしっかり冷やすのが早期回復の秘訣です。
湿布ですとアイシング力がやや足りないためです。
■アイシング方法
アイシング
☟
感覚が無くなったら中断
☟
感覚が戻ったらアイシング
これを繰り返すことが膝痛セルフケアの肝です。
膝関節は常に体重のかかる関節で、歩行している限り、安静にできない関節です。
故に、膝痛を伴っている場合は絶えず炎症が起こってしまいます。
炎症が起き、腫れた状態になると関節が浮いて緩くなり、再発を繰り返します。
その火事、火の元である炎症を早く消すために、とりあえずアイシングが有効です。
予防なら、とりあえずスクワット
やはり、膝痛予防になってくるのが、太ももの筋肉とお尻の筋肉を鍛える事になります。
この両方を鍛えるのに効率がいいのがスクワットトレーニングです。
又は、自転車を漕ぐサイクリングを私はおすすめしています。
メリットとしては、筋肉トレーニングの中で一番多くの筋肉に刺激を与えられるのが、このスクワットだといわれています。
太ももやお尻の筋肉に限らず、多くの筋力アップに繋がり、代謝アップ。一石何鳥も狙えるトレーニングです。そしてシンプルで生活に取り入れやすい。
また、股関節を90度以上曲げた形を作ることで、股関節の圧着状態を作ることができます。
ボクサーも試合前には拳にバンテージを巻き、関節を圧着させ、拳に伝わる力の伝導力を強くさせます。
スクワットをすることで股関節の圧着状態が作られ、関節の連動をよくすることも、膝痛予防の一つになります。
デメリットとしては、腰や股関節、ましてや、膝が痛くて、スクワットの姿勢が取れないということもあること。
その場合は、痛いのに無理やり行うのはNGです。
上記の写真の椅子を使ったスクワットのように、ハーフでいいのでスクワットをすることをおすすめします。
痛みが走る場合は無理のない範囲で行ってみましょう。
おわりに
以上、私たちの日常生活で何が原因で膝痛を引き起こしてしまうのか、
その原因を大きく3つに分けてまとめて解説、セルフケアと予防法を伝えさせて頂きました。
実は私も趣味のマラソンを走りすぎて、足が細くなってしまい、膝関節が不安定に、そして、膝痛になり、長い間、悩まされていた経験があります。
階段の上り下り、特に下りるのが本当に辛い時期がありました。
勿論、今ではアイシング、スクワット等のセルフケアで解決済み。
毎年、練馬区の練馬こぶしハーフマラソンにも参加しています。
その経験則や、多くの膝関節疾患を診てきて得た知識を元に膝痛に悩まれている方のお力になれると考えて、この記事を書かせて頂きました。多くの人にあてはまるはずです。
是非、膝痛に悩まされている不安な方、早く治したい方は、一度当院にご相談ください。