はじめに
「肩を挙げたら、急に肩の引っかかり感を感じる・・・」
「むしろちょっと痛いかも・・・」
「これって五十肩!?」
当院でもそのような肩の痛みの主訴の方が多くご来院されます。
多くは、肩が前にズレてしまうゆがみからくるものですが・・・。
そこで、今回は五十肩の症状かどうかのチェックリスト3つと、その対策を解説していきます。
逆に、今回の五十肩チェックリストに2つ以上当てはまらなければ、五十肩の可能性はかなり低くなるものですので、ご参考にされてください。
(よくいます!)五十肩と勘違いしていらっしゃる患者さんのケース
「朝、起きたら肩が重くなっていた」
「吊革をつかむと肩が引っかかる感じがする」
「肩が少し回しづらくなっている」
「これって五十肩ですか?!」
そんなお悩みでご来院される患者さんが急増していますが、そのほとんどが五十肩ではないことがほとんどです。
なぜなら、五十肩という症状になってしまうと、全く肩関節は動かなくなり、
ふとした動きすらできなくなりますし、鋭い痛みをともなうことがほとんどのため、
吊革をつかんだり、肩回しができる時点で五十肩にはなっていない可能性が高いです。
なぜ五十肩になってしまうかというと、
肩関節のゆがみ(ほぼ前方にズレるゆがみや巻き肩)があるせいで、肩の動きのたびに、繰り返し関節内で引っかかりを起こすことによって、
肩の動きをスムーズにする滑液包が腫れ、関節包が癒着してしまい、正常な肩の動きができなくなることで、発症してしまいます。
具体的には、滑液包や関節包という肩の動きをスムーズにする袋のような組織が傷つくことにより、
持続的に、肩の動きが急激になくなり、肩を動かすたびに炎症を繰り返してしまうがために、
炎症が引かずに痛みが長く続くのが五十肩になります。
なので、普通に吊革をつかんだり、肩回しができる時点で、
肩の関節の癒着が無いことが考えられますので、五十肩の可能性はかなり低いです。
しかし、肩関節のゆがみ(ほぼ前方にズレるゆがみ、巻き肩)があるせいで、
肩の動きのたびに関節引っかかりが起きている状態を放置すると、五十肩になってしまうこともありますので、
肩周りの悩みを抱えている方は早めの整体ケアをオススメします。
チェックリスト① 手を後ろに回す結帯動作に痛みが走る
まず、1つ目のチェックリストとして、「手を後ろに回す結帯動作」で痛みが走ることです。
これは肩の引っかかり感や痛みを放置した後、五十肩の進行が末期に進むと、関節包の癒着が強く起きてしまい、この動きに制限がかかり痛みを伴うようになるためです。
対策としては、「肩結帯ストレッチ」になります。
方法はとしては、先ず腕を後ろに回して結帯動作のかたちをつくります。
※
この時点で、痛みが走ってしまうことが多いのですが、痛みがでるかでないかのギリギリのかたちを作ってください。
(痛みがあるのに無理におこなうと、炎症が起こり、悪化する可能性がありますので、中断しましょう。)
その状態で、背筋を伸ばすようにすると、肩関節にストレッチがかかりますので、これを最低でも30秒間を10セットを1日のなかでおこなってみてください。
(やればやるほど効果的です!)
効果としては、関節包の癒着による、肩の動きの制限を少しずつですが軽くすることができます。
もう、この症状が出てしまっている時点で、軽い五十肩、もしくは本格的な五十肩(または、腱板損傷などの大きな肩のケガ)になってしまっているケースが多いです。
チェックリスト② ふとした動きで強めな鋭い痛みが走る
次に「ふとした動きで強めな鋭い痛みが走る」ことです。
これは、五十肩になってしまうと、滑液包の炎症や、関節包の癒着により、肩の動きが極端に制限されてしまうことによって、
どんな肩の動きでも、肩関節に引っかかりが起きてしまい、持続的に強い炎症が肩に起きてしまうため、ふとした動きで鋭い痛みが走ってしまうためです。
どんな動きをしても「痛っ!」となってしまうのが五十肩の特徴でもあります。
五十肩初期は、動かすまでもなく、体幹部に腕をつけていないと、激痛が走ってしかたがないというケースもありますので、
そんな症状があるときは五十肩になってしまっているといっても間違いはないでしょう。
対策としては、痛みのあるときは極力「冷やす(アイシング)」することです。
効果としては、肩関節を冷やす(アイシング)することによって、炎症を落ち着かせることができます。
五十肩になってしまい、鋭い痛みが走るときは一度冷やしましょう。
理想は野球選手のピッチャーが、ベンチで肩を冷やしていることがありますよね。
保冷材やアイスパック、氷嚢を肩周りに巻いて、あのように冷やすのが効果的です。
シップよりも、保冷剤や氷嚢をバンドなどで巻きつけて、しっかり冷やすことがおススメです。
この五十肩による肩の炎症自体は、放置しても、数年で楽になるといわれていますが、
肩の可動域が戻らなくなることが多いので、しっかりと整体治療をおこなって可動域も取り戻すことをオススメします。
チェックリスト③ 髪を結ぶような動作(結髪動作)で痛みが走る
最後に「髪を結ぶような動作(結髪動作)」で痛みが走ることです。
この原因は、肩の引っかかりや痛みを放置したあとの、関節包の癒着と肩前組織の拘縮によって、
肩を挙げてから外に開くような動きが固くなってしまうことで起きてしまいます。
ドライヤーを髪にかけたり、吊革をつかむ動きが痛くてできなくなるのが特徴的です。
対策としては、この症状がでてしまった、もしくはならないためにも、
肩の引っかかり感や痛みを感じている時点で、肩回し体操をおこなうことです。
方法は、上の画像のように、痛くない範囲で、肘で円をえがくように回します。
これによって、関節包の癒着や肩前の組織の拘縮を予防することができます。
比較的、五十肩の初期に起きてしまうチェックリストで、
この動きの制限だけでしたら、対策をしっかりおこなうことで挽回できるケースがほとんどです。
諦めずに対策をおこなっていきましょう。
おわりに(五十肩の治る期間)
以上の3つのチェックリストはいかがでしたか?
仮に五十肩になってしまったとしたら、放置で2年から数年間、
治療整体でケアしたとしても早くて半年~2年間はかかってしまいます。
今回のチェックリストで3つのうち、2つ以上当てはまる方は、五十肩の可能性大です・・・。
当てはまってしまった方は、早めに当院へご連絡ください。
時間はかかりますが、最短で五十肩回復までのサポートを行っていきます。
是非、早期回復のための、下記の五十肩セルフケアの関連記事もご参考ください。