はじめに

寒暖差や、雨が降る前、台風が近づくと、決まって頭痛や首肩こりが悪化する…。
そんなお悩みを抱えていませんか?
近年、天候と体調の関係に注目が集まり、「気象痛(天気痛)」という言葉も浸透してきました。
この記事では、国家資格を持つ整体師の視点から、気象痛と頭痛・首肩こりの関係、そして、対策・セルフケア方法を詳しく解説していきます。
「気象痛を緩和したい」
「辛い頭痛を何とかしたい」
「食いしばり・歯ぎしりを改善したい」
そんな方は最後までご覧なってください。
なぜ気象痛・天気痛で辛くなるのか?
気象痛や天気痛が起こる主な理由は、寒暖差や気圧の変化に対応するためのストレス反応にあります。
特に「低気圧」が近づくと、私たちの体には次のような影響が出ます。
- 内耳の気圧センサーが反応して自律神経が乱れるから
- 頚椎(首の骨)の炎症が膨らむから
※首肩こり頭痛に関わるもののみです。
順に詳しく説明していきます。
内耳の気圧センサーが反応して自律神経が乱れる
前提として、自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、
気圧が下がると身体にかかる圧が少なくなることで、副交感神経(リラックスさせる神経)が働き、なんだかやる気が起きない、体がだるいという状態になりやすくなります。

耳の奥にある「内耳」には、気圧の変化を感じ取るセンサーがあり、
気圧が下がるとこのセンサーが過敏に反応し、交感神経(興奮させる神経)を働かせて、自律神経のバランスを取ろうとするのですが、
このアップダウンの波が、脳を疲れさせてしまい、逆に自律神経が乱れやすくなってしまうのです。

結果、痛みに対して敏感になりすぎる、筋肉が過緊張を起こして首肩こり・頭痛が悪化するなどの症状(気象痛・天気痛)を引き起こしてしまうのです。
頚椎(首の骨)の炎症が膨らむ
普段から首に大小なりとも炎症(関節炎)を起こしている場合、低気圧によって体内の圧力バランスが変化し、炎症部分が膨張して痛みが強まることもあります。
その炎症が、首から出ている頭痛や首肩こりに関わる神経に触れてしまうことで、症状が悪化してしまう(気象痛・天気痛)ことがあります。
例えると、山登りした際に山頂に行くと、気圧が下がって物にかかる圧が小さくなると、もっていたお菓子袋がパンパンに膨れますよね。
それと同じ現象が、首の炎症(関節炎)部分にも起きてしまい、悪さをしてしまうのです。
首の関節炎が起きているかどうかのチェック方法としては、後ろに反ったり、振り向いたりするときに「引っかかり感」や動かしにくさがあるかどうかです。
それがあれば、大小なりとも関節の炎症が起きている可能性があります。

主な原因3つ
気象痛・天気痛が起きやすい人には、特に次の特徴がみられます。
- 内耳のセンサーが生まれつき敏感
- 脱水によるむくみ症状
- 運動不足
それぞれ順に詳しく解説していきます。
(1)内耳センサーが生まれつき敏感
生まれつき耳の内耳気圧センサーが敏感な人は、気圧の変化に強く反応し、気象痛・天気痛を引き起こしやすいです。
耳鳴り・めまい・乗り物酔いを起こしやすい体質の方も、この生まれつきの内耳気圧センサーが敏感なケースが多いです。
これは生まれつきの体質なので、仕方がありませんが、普段の身体のメンテナンスが症状を最小限に抑える秘訣です。
(2)脱水による浮腫み症状
体は脱水傾向にあると、血液やリンパの流れが悪くなり、しかも、体内に水分を保持しようと体全体が浮腫みます。
耳にある内耳は水(リンパ液)で満たされていて、浮腫んでしまい圧迫されることによって、感度がさらに上がってしまいます。
つまり、水分不足は気象痛・天気痛を悪化させる大きな要因となるのです。
(3)運動不足
運動不足だと、自律神経が乱れやすく、特に副交感神経が過剰優位になることが多くなります。この状態が続くと、気象痛や天気痛が引き起こされやすくなります。
また、運動不足はストレス耐性の低下にもつながるとされていています。
具体的には、運動はストレス発散にも有効なのですが、運動不足だとストレスに対する耐性が低下し、気圧差や寒暖差によるストレスがたまりやすくなり、気象痛や天気痛を引き起こしやすい体質になりやすくなります。
気象痛・天気痛で引き起こされる症状
気象痛が悪化すると、体にはさまざまな不調が現れます。
● 食いしばり・歯ぎしり
● 自律神経の乱れによる不調
● 呼吸が浅くなることによる脳酸欠
それぞれ詳しく解説していきます。
● 食いしばり・歯ぎしり

低気圧のストレス対応によって交感神経が急激に高まった時に、無意識の食いしばり・歯ぎしりが起こりやすくなります。
これにより、顎関節や首周りの筋肉(広頚筋、胸鎖乳突筋、斜角筋)、こめかみの筋肉(側頭筋)に過度な負担がかかり、首肩こり・頭痛が悪化します。



この食いしばり・歯ぎしりが原因の頭痛は「頭の横」の範囲で出るのが特徴です。
● 自律神経の乱れによる不調
- 強い眠気
- だるさ
- やる気の低下
- 胃腸不良(食欲不振・便秘・下痢)
これは、低気圧時の副交感神経が過剰に優位になりすぎている時に起きる現象です。
そして、この状態が長引くと、反動で交感神経が急上昇し、体が緊張モードに切り替わることで自律神経が乱れ、さらに不調が悪化しやすくなります。
● 呼吸が浅くなることによる脳酸欠

自律神経が乱れて食いしばり・歯ぎしりが続くと、首の前がパンパンに緊張し、空気を吸う量が少なくなります。
すると、結果的に呼吸が浅くなり、血液中の酸素量が低下し、脳の酸欠を引き起こすことで自律神経が悪化という負のループに陥ります。
これが、全身の血流悪化・筋肉のこわばりをさらに引き起こし、頭痛・首肩こりを助長させます。
気象痛を悪化させる”副交感神経の過剰優位”とは?
通常、副交感神経はリラックスを司る大切な神経ですが、気圧の変化や天候不良が続くと過剰に働きすぎてしまうことがあります。
その結果、
- 異常な眠気
- 身体の重だるさ
- 集中力低下
- 胃腸機能の停滞
といった症状が出てしまいます。
さらにこの状態が長く続くと、体はバランスを取ろうとして、交感神経を一気に活性化させる反動現象を起こします。
(耳の内耳の役割もそれに近いです)
この急激な切り替え時に、食いしばり・歯ぎしり、頭痛、首肩こりが一気に悪化するケースが多いのです。
つまり、気象痛による不調は副交感神経と交感神経の「乱高下」をどうにかすることがカギとなるのです。
気象痛・天気痛の対策・セルフケア5つ
こまめに水分補給をする
水分摂取が少なく、脱水状態になることで、体内に水分を保持させようとし浮腫み、そのせいで自律神経が乱れやすくなり、気象痛(天気痛)になりやすくなるのです。
なので、脱水を防ぐために、こまめな水分補給が大切です。
具体的には、1日2~3ℓを小まめに飲むことを日々のルーティンにしましょう。
しかし、カフェインやアルコール、意外かもしれませんが緑茶には利尿作用があるため控えめにしましょう。
オススメは、ミネラルウォーターや電解質を含むドリンク、麦茶です。
呼吸を整えて自律神経を安定させる

簡単な腹式呼吸や深呼吸を取り入れましょう。そうすることで自律神経が整い、気象痛(天気痛)を軽くさせる効果があります。
なぜなら、
吸うとき(特に鼻から深く吸うとき)
→ 交感神経が軽く刺激される
吐くとき(特に細く長く吐くとき)
→ 副交感神経優位になるためです。
具体的には
- 鼻からゆっくり4秒吸って
- 口から8秒かけて細く長く吐く
これを数回繰り返すだけで、副交感神経と交感神経のバランスを整える助けになります
マグネシウムを意識的に摂取する
マグネシウムは神経の興奮を抑えるミネラルです。
不足すると気象痛(天気痛)時に自律神経が乱れて痛みを過敏に感じやすくなるので、日常的にマグネシウムを摂取することもおすすめです。
食品での例は・・・
- アーモンド、カシューナッツ
- 納豆
- 海藻類
- バナナ
食べて摂取するのは大変!という方は、サプリメントで取ることをオススメします。
■オススメのマグネシウムサプリ
耳周りのセルフマッサージ

内耳周辺の血流を促し、気象痛(天気痛)を軽くさせるために耳たぶ回しや耳マッサージが効果的です。
【やり方】
耳たぶを軽くつまみ、前後左右に10回ずつ回します。
1日に数回行うだけでも、血流がよくなり、気象痛の予防につながります。
天気予報アプリを活用する
最近では「気象病予報」が見られるアプリも登場しています。
気圧の急降下が予想される日は、
・早めに水分を多めに摂る
・無理なスケジュールを組まない
・ウォーキングや軽いストレッチ
これらは、過剰な副交感神経優位を防ぎ、気象痛の悪化を予防できます。
事前準備をしておき被害を最小限にすることができます。
おわりに
気象痛・天気痛は、気のせいではありません。
気圧変化という外的ストレスと、身体内部の反応が密接に関わっています。
体質だから仕方ない…と諦めず、正しいケアを習慣化することが、症状改善への第一歩です。
首肩こり頭痛の専門院のバランス整体院大泉学園では、気象痛に悩む方への専門的な整体施術も行っています。
「つらい天気痛をなんとかしたい」
「頭痛をなんとかしたい」
「食いしばり・歯ぎしりを改善したい」
そんなお悩みを抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。
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