はじめに

「最近、朝起きると顎が重い」
「気づくと無意識に歯を食いしばっている」
そんなお悩みを感じていませんか?
実は、食いしばりや歯ぎしりは年齢を重ねるほど増えやすい症状のひとつです。
放置することでエラが発達し、顔が四角いシルエットになります。

その原因は単なるストレスだけではなく、身体の構造や自律神経の変化など、複数の要因が重なって起こっています。
この記事では、「バランス整体院大泉学園」院長で国家資格を持つ整体師が、臨床経験をもとに「年齢とともに増える食いしばりの5つの隠れた原因」とその改善のヒントをわかりやすく解説します。
是非、歯医者で食いしばり・歯ぎしりを指摘された方や、悩んでいる方は最後までご覧なってください。
原因① 自律神経のバランス機能低下

加齢により副交感神経(リラックス神経)の働きが弱まり、交感神経(緊張の神経)が優位になりやすくなることで食いしばり・歯ぎしりが誘発されやすくなります。
具体的には、ホルモンバランスが崩れ、神経伝達の変化、感情の受け取り方が繊細になるためです。
特に女性は、更年期前後のホルモン変化により、自律神経の乱れや筋緊張が強く出やすくなります。イライラや不眠などの症状とともに、交感神経(緊張の神経)が優位になり、食いしばりが強まるケースも少なくありません。
また、神経伝達物質(セロトニン・ドーパミンなど)の分泌リズムが年齢とともに変化し、脳が「リラックス状態」を維持しにくくなることも要因のひとつです。
若い頃よりも「感情の受け取り方」が繊細になるという点もあります。
年齢を重ねることで、脳の扁桃体(情動の中枢)がやや過敏になり、小さな不安や緊張にも身体が反応してしまうようになります。
結果として、加齢により、心では我慢していても身体は「食いしばり・歯ぎしりでストレスを発散」しようとするのです。
原因② 睡眠の質の低下

スマホの視すぎや、加齢により睡眠が浅くなる(早く起きてしまうようになる)と、深いノンレム睡眠が減り、脳の「筋肉を休ませる抑制機能」が弱くなり、睡眠中に歯ぎしりが起きやすくなります。
もちろん、「晩酌」も睡眠の質を低下させ、食いしばり・歯ぎしりにつながります。
また、いびきや無呼吸症候群などで酸素が足りない状態も、脳が「噛む筋肉を動かして気道を広げよう、気道を確保しよう」とする反射(呼吸覚醒反応・咀嚼筋活動といいます)を引き起こします。
この状態では筋肉が常に軽く緊張しており、無意識に咬筋や側頭筋がこわばることで、食いしばり・歯ぎしりが起きやすくなります。
特にデスクワークやスマホ使用などで首や肩がこっている方は、交感神経が過敏化しやすく、睡眠の質が更に低下する可能性があるため、加齢の影響以前に注意が必要です。
原因③ 慢性的な脱水

年齢を重ねると、体の水分バランスに大きな変化が起こり、それが食いしばり・歯ぎしりの原因になることがあります。
具体的には、若い頃は体重の約60%が水分ですが、加齢とともに筋肉量が減ることで体内の水分量は約50%前後まで低下し、
(保湿が重要とされるのはこのことからです。十分に水分を摂取することが根本となります。)
この変化に加えて、「乾きを感じにくい」「実際に乾きやすい」という二重の要因が、自律神経の乱れや食いしばりの背景に潜んでいます。
「乾きを感じにくくなる」理由
- 喉や舌の感覚受容器の老化により、水分不足を感じ取る感度が低下します。
- 脳の視床下部(口渇中枢)の反応も鈍くなり、血液が濃くなっても「喉が渇いた」と認識しづらくなります。
- さらに高齢者では、降圧薬・抗うつ薬などの副作用で唾液が減っていても渇き感が出にくいこともあります。
このため、体が実際に水分不足でも、脳がその信号を拾えず、慢性的な軽い脱水(=隠れ脱水)に気づかないまま過ごしているケースが非常に多いのです。
「乾きやすくなる」理由
感覚だけでなく、体の構造自体も乾きやすくなっています。
- 筋肉量の減少により「水を保持する身体のタンク」が小さくなる。
- 腎臓の機能の低下で、水を再吸収できず尿として排出してしまう。
- 細胞の保水力低下により、全身の組織(筋肉・皮膚・粘膜)が乾燥しやすくなる。
- 血液が濃くなりやすく、循環が悪化することで、脳や筋肉への酸素供給も不足気味になる。
結果として、体は加齢とともに「水分不足+血流不足」というダブルのストレス状態に陥り、それが交感神経(緊張の神経)を慢性的に刺激し、食いしばり・歯ぎしりを誘発させてしまいます。
また、脱水状態では身体に水分を蓄えようと手足や顔が浮腫みやすくなってしまいます。
耳には「内耳」という気圧の変化を感じ取る器官があるのですが、ここが浮腫みで圧迫されることによって、気象痛(天気痛)が誘発されてしまうと、自律神経が乱れてしまい、片頭痛や食いしばり・歯ぎしりを誘発させてしまうことにも繋がります。
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慢性的な脱水は様々な側面で「リラックスできない体質」=交感神経優位な体を固定化してしまうのです。
原因④ 噛み合わせ・歯列の微妙な変化

歯は年齢とともに摩耗したり、歯周組織が下がったりします。
これにより「噛み合わせの高さ」や「顎の位置」がわずかにズレることがあります。
脳はこのズレを無意識に修正しようとして、寝ている間に歯をこすり合わせる(歯ぎしり)反応を起こすことがあります。
歯科では、噛み合わせのチェックを受けるとともに、これを考慮して歯を削ることもありますし、食いしばり・歯ぎしりによる歯のダメージを軽減させるためにマウスピースを奨められることも少なくありません。
酷い場合、歯に亀裂が入る、割れてしまうこともありますので、食いしばり・歯ぎしり癖がある方は、マウスピース着用は必須だと当院でも考えています。
口腔内の状態によっても食いしばり・歯ぎしりが更に悪化するケースがありますので、歯科での定期的な検診を行いケアをしていきましょう。
原因⑤ 頚椎アライメントの乱れ(姿勢の崩れ)

長時間のスマホ姿勢や加齢による筋力低下によって、頭が前に出た「ストレートネック姿勢」になりやすくなります。
この姿勢では、常に口が閉じて奥歯が噛み合いやすくなり、顎関節に強い圧力がかかるため、咬筋や側頭筋が慢性的に緊張してしまいます。
その結果、食いしばりや歯ぎしりを誘発させてしまいます。
整体でのアプローチ
整体では、この「首関節(頚椎)のアライメント」を整えることにより、顎まわりの筋肉の過緊張を緩める施術を行います。
実際、頚椎の動きが整うことで食いしばりが自然に軽減する方は多く見られます。
具体的には、顎関節を支えている頚椎(4番、5番付近)の前弯カーブを手技で整えることにより、口が開きやすい状態をつくり、噛みしめにくい形に整えます。

その他には、食いしばり・歯ぎしり時に働く胸鎖乳突筋や斜角筋(首の前面の筋肉)を中心にアプローチします。

これらの筋肉が収縮すると、その付着部である鎖骨や第1肋骨が引き上がり(肩が上がり首が短く見えるシルエットになる)、さらに首全体の緊張を強める悪循環に陥ります。
(わかりやすいのが下記の写真のシルエットです。)

そのため、鎖骨や肋骨の動きを「押し下げるように整える」ことで、首前面の筋肉をリラックスさせ、結果的に顎の力みも緩むよう導きます。
☆猫背矯正の併用

「より早く効果を出したい」「症状が強い」という方には、猫背矯正のオプション施術もおすすめしています。
猫背矯正では、背骨と肋骨、肩甲骨の動きを引き出し、深い呼吸ができる姿勢を強制的に作ります。
呼吸が深まることで、副交感神経(リラックス神経)が優位になり、姿勢と神経の両面から食いしばり・歯ぎしりを改善へ導くことができます。
まとめと改善のポイント
年齢とともに増える食いしばりには、単なるストレスだけでなく、身体の生理的な変化や姿勢の影響が深く関わっています。

上記の写真の女性はエラ周りが発達していて、食いしばり・歯ぎしりが「習慣化」されていると考えられます。
その改善のポイントは下記になります。
改善のためのポイント
- こまめな水分補給(1日2~3ℓを目安に)を習慣化
お茶や真水がオススメ。アルコールやカフェインの入っているものは利尿作用で更に脱水状態になるためお気をつけください。 - 深呼吸・温熱・ストレッチで副交感神経を高める
- 寝る前のスマホ・カフェインを控える
- 低い枕で就寝すること
口が開きやすくなり、食いしばり・歯ぎしりを防ぎます。 - 有酸素運動(マラソンなどがオススメ)
- 首・肩・顎まわりの整体でのメンテナンスケア
食いしばりは「体からのストレス我慢の限界SOSサイン」です。
我慢せず、体の声を聞いてあげることが改善への第一歩になります。
食いしばり・歯ぎしりを改善するならバランス整体院大泉学園へ!
当院では、顎関節や首・肩、全身のバランスを整え、「噛む力の緊張」を根本から解放する整体を行っています。
食いしばり・歯ぎしりによる顎の痛み、肩こり、頭痛などでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
✔ 顎関節の調整 × 頚椎矯正 × 姿勢バランスケア
→「噛む筋肉」をゆるめ、呼吸が深くなる整体です。
あなたの体が本来持つ“緩む力”を取り戻していきましょう。
お電話やLINEネット予約で24時間受付中です!
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TEL 03-5935-8777
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