はじめに
肩関節の怪我といえば、2024年10月
メジャーリーガーの大谷翔平選手が『肩の関節唇の損傷』で話題になりました。
このケガはスポーツだけでなく、日常生活にも影響を与えるもので、1度痛めてしまった方も少なくありません。
この記事では、関節唇損傷が体に及ぼす悪影響3つとその対策について、
国家資格保有している整体師の視点からわかりやすく解説します。
肩の関節唇とは?
肩関節は非常に可動域が広い構造をしているため、
関節唇という軟骨のような組織がしっかりと安定性を保っています。
(実は、股関節にもあります!)
この関節唇が損傷することで、肩関節の安定性が低下し、体全体に悪影響が及ぶことが少なくありません。
関節唇をわかりやすくいうと、「肩のくぼみにぴったりはまる、やわらかい受け皿」
関節唇は肩の骨が動いてもはずれないようにくっつけておく、やわらかい受け皿のようなものです。
肩の骨がスムーズに動けるようにしながら、ちゃんと収まっているのを助けているのです。
症例紹介:関節唇損傷を経験したMさんの場合
30代男性のMさんは、学生時代の野球で『肩の関節唇を損傷』して以来、姿勢の崩れが気になるようになりました。
最近、特に猫背が悪化していると感じ、当院にご来院され、猫背矯正を定期的に受けられています。
これは、1度、関節唇を痛めてしまい放置してしまうと、
肩関節の安定性が筋力低下とともに無くなり、巻き肩や猫背姿勢になりやすくなってしまうためです。
「俺、大谷選手と同じケガをしたことあるんだ!」と先日はそんな旬な会話も・・・。
Mさんは関節唇損傷のために、肩が不安定になって巻き肩になり、猫背姿勢が悪化してきた可能性があります。
(Mさんは集中的な整体ケアで肩関節を安定させることができ、
今では、月に1度のご来院で十分なほど症状が安定してきています。)
関節唇損傷をしてしまった方は
肩周りのトレーニングも水面下で行い続け100点を目指すか、
肩が巻き肩になるたびに整体などで肩関節を整えて80点を目指すか、
そのまま放置して、悪化の一方を辿るか、
上記の3パターンのケースがほとんどです。
ここからは、Mさんにも出てしまっている巻き肩・猫背も含めた
関節唇損傷の悪影響3つとそのセルフケア対策を解説していきます。
悪影響①:「猫背」や「巻き肩」
関節唇損傷は、肩の安定性を低下させ、「猫背」や「巻き肩」の原因となります。
疲労状態や筋力低下により、肩関節が支えられなくなると、無意識に巻き肩や猫背姿勢になりがちで、
肩や背中の筋肉に余分な負担がかかるため、体全体のバランスも崩れやすくなります。
ちなみに肩関節は後ろに肩甲骨がある関係で、前方にズレることがほとんどです(巻き肩・猫背姿勢)。
悪影響②:「脱臼」などの肩の怪我リスク急上昇
関節唇が機能しなくなり、肩の安定性が低下することで、脱臼や亜脱臼が起きやすくなります。
身近な症状ですと、肩周辺の腱板が損傷したり、四十肩・五十肩のリスクも高まります。
このように、関節唇損傷をしてしまうことで、肩の怪我リスク急上昇します。
プロ野球選手にとっては死活問題です。
悪影響③:肩こり・首こり・自律神経への影響
関節唇による肩の安定性機能を筋肉でカバーしようと、無意識に首や肩の筋肉が緊張し続けます。
なので、関節唇損傷側の肩こりや首こりの症状が出やすくなるのです。
首肩が慢性的に緊張すると、そのストレスによって、
自律神経が乱れやすくなり、食いしばり・歯ぎしりを誘発させたり、
頭痛やめまいなどの不調につながってしまう事も珍しくありません。
関節唇損傷のセルフケア・対策
関節唇損傷のセルフケアでは、肩周りの筋力を強化し、肩の安定性を高め続けることが大切です。
以下のような3つのセルフケアが有効です。
バンデッド・エクスターナル・ローテーション(肩の外旋エクササイズ)
参考動画
このセルフケアは、 ローテーターカフ(肩回旋筋群)を強化し、肩甲骨周りの筋力を高め、肩の安定性をサポートします。
(ローテーターカフとは肩関節を安定させる4つの肩の筋肉のことです)
【方法】
- 弾力のあるエクササイズ用バンドやチューブを準備し、胸の高さに固定(柱などにひっかけるようにして)し、バンドを持ちます。
- 体を横向きにし、バンドを持つ手が固定点と同じ高さになるように構えます。
- 肘を90度に曲げ、バンドを引っ張って肩を外側に回旋させます。バンドの張力に逆らうようにゆっくりと元の位置に戻しましょう。
- 左右それぞれ10〜15回、2〜3セット行います。
ポイントとしては、 動かすのは肩のみで、肘の90度は固定したままにすることです。
首や肩に力が入らないように、リラックスして行います。
肩に痛みが走る場合は、脇を締めて行いましょう。
■オススメのエクササイズチューブ
※肩のリハビリが目的なら負荷は10kgあれば十分です。
コッドマン体操
このセルフケアは、肩をサポートする筋肉(ローテーターカフ)をストレッチさせ、
血流を促進し、肩関節の安定性をつくることが目的です。
コッドマン体操は、特に関節唇損傷はもちろん
四十肩・五十肩を早く治すためにも有効なエクササイズです。
【方法】
- 机や椅子の背もたれなどを使い、片手で体を支え、上半身を少し前傾させ、痛めた側の腕をぶら下げます。
- 腕の力を抜いて垂らし、前後や左右、円を描くように軽く揺らします。
- 揺らす範囲は小さく始め、徐々に痛みがない範囲で大きくします。(ペットボトルを持つなどして負荷をかけると効果が上がります)
- この動作を20〜30秒間、1セット行い、肩の状態が良ければ1日数回繰り返します。
ポイントとして、 痛みが強い場合は無理せず、痛みのない範囲で行うことが重要です。
ドアウェイストレッチ(胸のストレッチ)
このセルフケアは、大胸筋を伸ばし、肩甲骨が前に引っ張られる「巻き肩」を防ぎます。
大胸筋は肩の前にある筋肉で、肩関節を前側に引っぱります。
肩が正常なら問題ないのですが、関節唇が損傷していると、
その大胸筋の引っぱりさえも肩関節を不安定にさせてしまうのです。
【方法】
- ドアの縁に両手をつけ、肘を90度に曲げ、肩の高さに手がくるようにします。
- ゆっくりと体を前に押し出し、胸が伸びるのを感じましょう。無理せず、自分が心地よく感じる範囲で伸ばします。
- この姿勢を20〜30秒キープし、1セットで構いませんが、効果を感じる場合は2〜3回繰り返します。
ポイントとしては、胸を開く感覚を意識しながら行い、肩が上がらないようにしましょう。
痛みがある場合は無理せず、軽い伸びを感じる程度にします。
セルフケアで効果が感じられない、又は、やるのが面倒な方は・・・!
セルフケアを行っても肩の不安定さが残る、又は、人の力を借りたい!そんな方は、
整体で肩関節を整えることもおすすめです。
特に肩周りの筋肉を整え、関節の位置を正しく調整することで、悪影響を最小限に抑えることが可能です。
プロのスポーツ選手や早急な改善が必要な場合には、外科手術も検討されるケースがあります。
(大谷選手は関節唇損傷を治すために内視鏡視下手術されました)
終わりに
関節唇損傷は一度ケガをすると自然治癒が難しいケースが多いです。
そのため、肩周りの筋肉が衰えやすい年齢になる前に適切なケアを行うことが大切です。
将来的な姿勢や痛みを予防するためにも、今のうちから肩の安定性を高め、
メンテナンスを習慣化することがオススメです。
「肩の関節唇を過去に痛めた経験がある」
「猫背や巻き肩が気になる」
「首・肩こりを改善したい」
そんなお悩みを抱える方は、
ぜひ1度、練馬区大泉学園にあるバランス整体院大泉学園にご相談ください!
お電話やLINE(24時間ネット予約可)からご予約可能です。
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