はじめに 首の痛みと「噛みしめ」の意外な関係
首こり・首痛・肩こりでお悩みの方の多くに共通しているのが、無意識の食いしばり・歯ぎしりです。

実際に、歯科医院で
「食いしばりがありますね」
「歯ぎしりの跡があります」
「歯がすり減ってますね」
と指摘された経験がある方も少なくありません。
これは、現代のストレス社会において非常に典型的な症状で、自律神経の乱れと深く関係しています。

多くの方は日常的に
- 仕事
- 人間関係
- スマホ・PC作業
- 睡眠不足
などの影響で、交感神経(興奮・緊張)優位の状態が続いています。
その結果、体は無意識にストレスを発散しようとして食いしばり・歯ぎしりを起こしてしまうのです。
本記事では、
- 食いしばり・歯ぎしりが原因で起こる首痛の仕組み
- 実際の症例ケース
- 自宅でできる具体的な対策
- 整体でできる根本アプローチ
を、首肩こり・頭痛を専門とする整体師の視点からわかりやすく解説します。
「自宅でできる具体的な対策」において、首痛が楽になるようなら、食いしばり・歯ぎしりが原因の可能性があります。
首痛や食いしばり・歯ぎしりにお悩みの方は最後までご覧なってください。
症例紹介 食いしばりが原因だった首痛のケース
首の動きで痛みが出るTさん(40代)

Tさんは
- 首を振り向く
- 下を向く
といった動作で首の痛みと可動域制限が出るとのことで来院されました。
整形外科ではレントゲン検査を受けましたが、 「骨には異常なし」との診断。
触診でわかった本当の原因の可能性
実際にお身体を確認すると、
- 首の前側の筋肉がガチガチ(特に左側)
- 咬筋(噛む筋肉)の強い過緊張
- 顎関節の圧痛(特に左)
が顕著でした。
また、
- 首を反らす動きでは痛みなし
- 前に倒す動きで痛みが出る
という特徴もありました。
さらに詳しく伺うと、 「朝起きたときに、左のこめかみ付近がズキズキすることが多い」 とのこと。
胸郭出口症候群の評価で用いるモーリーテストも陽性でした。

「胸郭出口症候群とは・・・?」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/thoracic_outlet_syndrome.html
※日本整形外科学会より
食いしばりが首痛を引き起こすメカニズム
食いしばり・歯ぎしりがあると、
- 胸鎖乳突筋
- 斜角筋
- 広頚筋

といった、耳〜鎖骨の下(第一肋骨)にかけて走る筋肉が強く緊張します。
これらの筋肉が縮こまることで、
- 顔が下を向いた姿勢
- 首が前に倒れた状態(ストレートネック傾向)

になりやすくなります。
その姿勢では奥歯が噛み合いやすくなり、 さらに首の前の筋肉・咬筋・側頭筋が緊張 → 食いしばりが助長される という悪循環に陥ります。

特に側頭筋(こめかみにある筋肉)は、
- こめかみを走る神経(三叉神経の枝)
- 血管(浅側頭動脈)
を圧迫するため、側頭部(こめかみ)の頭痛を引き起こすこともあります。

※解剖学アプリを使用し、筆者が作成した画像です
Tさんの場合、朝の頭痛が強かったことから、 就寝中の歯ぎしりの影響が大きいと判断しました。
施術と決定的な変化
施術では、
- 首の関節バランス調整
- 第一肋骨の調整
- 首前面の筋緊張の緩和
を行い、耳〜鎖骨の下(第一肋骨)の間を広げ、呼吸がしやすい状態に整えました。

すると痛みは大幅に軽減。しかし、動き始めに「ピリッ」とした違和感が少し残りました。
そこで、 「口を開けたまま動いてみてください」 と指示すると……
痛みが完全に消失。
これは、噛みしめ筋の緊張が抜けることで、 筋肉や神経へのストレスが一気に減ったことを示していると整体師の視点では感じます。
まさに、 食いしばり・歯ぎしりが原因の首痛を象徴する症例でした。
食いしばり・歯ぎしりが原因の首痛対策5選
対策① 口を開けて生活する

マスク着用時や集中作業中は、無意識に口を閉じて噛みしめが起こりやすくなります。
意識的に
- 上下の歯を離す
- 口を軽く開ける
だけでも、首の痛みが軽減する方は多いです。
これで楽になる場合、 日常的に食いしばりを起こしているサインです。
対策② 有酸素運動を取り入れる

食いしばり・歯ぎしりの根本原因は、 自律神経の乱れのケースが多いです。
そして、呼吸と自律神経は密接に関係しています。
深くゆっくりとした呼吸ができていると、副交感神経(リラックス)が働きやすくなります。
反対に、浅く速い呼吸が続くと、交感神経が優位な状態になりやすくなります。
食いしばりや歯ぎしりは、このような交感神経が優位な状態と関連が深く、無意識の緊張反応として起こりやすいと考えられています。
その対策に特におすすめなのが、
- ウォーキング
- 軽いジョギング
- マシンピラティス
- マラソン
などの有酸素運動です。
有酸素運動によって
- 肋骨の動きが改善する
- 呼吸が深くなる
- 副交感神経が働きやすくなる
ことで、噛みしめが自然と減っていくことが多いです。
実際に、重度の首肩こり・頭痛で悩んでいた方が、 運動習慣を始めてから症状が激減したケースもあります。
※注意点
夜眠る直前に行う強度の強い運動は逆効果です。
交感神経が優位になり、寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなる原因となるため、就寝2〜3時間前までに済ませましょう。
対策③ 体を温める
入浴によって体を温めると、
- 血流改善
- 筋緊張の緩和
- 自律神経の安定(リラックス、副交感神経優位)
が期待できます。
シャワーだけで済ませず、 湯船に浸かる習慣をつけましょう。
対策④ マグネシウムオイルを塗る

マグネシウムは皮膚から吸収されやすく、 筋肉の緊張を和らげる作用があります。
特におすすめの部位は、
- こめかみ(側頭筋)
- エラ部分(咬筋)
- 首の前(斜角筋・胸鎖乳突筋・広頚筋)
- デコルテ(小胸筋)
サプリよりも、オイルとして直接塗布する方が実感しやすいです。

※解剖学アプリを使用し、筆者が作成した画像です
※当院でも取り扱っていますが、市販品でも問題ありません。
オススメのマグネシウムオイル
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敏感肌の方には、低刺激タイプの下記のマグネシウムクリームがオススメ
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対策⑤ 治療系の整体で根本ケア
食いしばり・歯ぎしりは、 放置すると徐々に蓄積して悪化する症状です。ですので、外部でそのケアを委託するのも一つの手です。
ちなみに、リラクゼーションではなく、
- 呼吸
- 姿勢
- 首・背骨・肩関節
を整える治療系の整体院を選ぶことが重要です。
整体では、「食いしばりを無くさせる」のではなく 「呼吸が深くできる体に整える」ことを目的とします。
その結果、
- 副交感神経が働きやすくなる
- 食いしばり・歯ぎしりが低減
- 首肩こり・頭痛が緩和
という流れが生まれます。
よくある質問(FAQ)
Q 食いしばり・歯ぎしりは完全に治りますか?
完全にゼロにすることは不可能です。 目標は5〜6割減を安定してキープすること。
ゼロを目指しすぎると、かえってストレスが増し症状が悪化します。
Q マッサージに行っても大丈夫?
「少し弱いかな?」と感じる強さであれば問題ありません。 強刺激は交感神経を高め、逆効果になることがあります。
Q マウスピースは必要?
歯の保護のために必須です。 ただし、食いしばり自体を減らす効果はありません。
Q ボトックス注射はあり?
即効性があり、有効な選択肢です。 自然な改善を望む方は整体との併用がおすすめです。
Q. 晩酌はしてもいいですか?
おすすめできません。
アルコールは一時的にリラックスしたように感じますが、実際には交感神経を優位にし、睡眠を浅くする作用があります。
その結果、夜間の食いしばりや歯ぎしりを誘発しやすくなります。特に就寝前の晩酌は控えることが大切です。
Q. 整骨院は利用してもいいですか?
ケースによります。
食いしばり・歯ぎしりが主な要因となって起こる首こり・肩こり・頭痛は、原則として健康保険適用の対象外となるケースが多いとされています。
ただし、整骨院にも大きく分けて
- リラクゼーション・マッサージ中心の院
- 原因分析と改善を目的とした治療系統の院
の2タイプがあります。
後者のように、
症状の原因や生活習慣まで踏み込んで説明してくれる治療系の整骨院であれば、食いしばり・歯ぎしりに関連した不調の相談先として選択肢になる場合もあります。
一方で、
- 「凝っているから」「ガチガチだから」といった説明のみ
- 明確な改善計画がなく、半永久的に高頻度通院を勧められる
といった場合は、根本原因である食いしばり・歯ぎしりに十分対応できていない可能性もあるため、慎重な見極めが必要です。
Q. 整形外科で「レントゲン異常なし」と言われましたが問題ないですか?
レントゲンやCT、MRIなどの画像検査は、
- 骨折
- 明らかな変形
- 重度のヘルニアや脊柱管狭窄症
などの構造的な異常を確認するために非常に有効です。
一方で、
- 筋肉の過緊張
- 軽微な関節のズレ
- 食いしばり・歯ぎしりに起因する機能的な問題
といったケースは、画像検査では判断が難しいことも少なくありません。
そのため、
- 強い外傷や神経症状がある場合 → 整形外科
- 筋肉や関節の使い方・生活習慣が関係している不調 → 治療系の整体院・治療院
と、目的に応じて使い分けることが大切です。
Q. 食いしばり・歯ぎしりを放置するとどうなりますか?
一時的に症状が軽くなることはあっても、原因が解消されないまま放置すると、次のような影響が出る可能性があります。
- 歯や詰め物への過剰な負担
- こめかみ周辺の頭痛
- 自律神経の乱れによる不調
- 首や肩の緊張からくる腕のしびれ感(胸郭出口症候群様症状)
特に注意したいのは、
- 歯へのダメージ
- 自律神経の乱れが慢性化すること
歯のトラブルは修復に時間や費用がかかるケースもあり、また自律神経の不調が長引くと、睡眠や気分の安定にも影響することがあります。
「そのうち良くなるだろう」と我慢するよりも、早い段階で原因に目を向けることが、結果的に身体への負担を減らす近道になります。
Q. バランス整体院大泉学園では、どれくらいの期間・回数で変化を感じますか?
症状の出始めた時期や生活環境によって個人差はありますが、当院にご来院されている方の傾向として、以下を目安に変化を実感されるケースが多いです。
・数週間前から食いしばり・歯ぎしりが気になり始めた方
→ 1~3回程度で、首・肩の緊張や頭の重さに変化を感じる方が多いです。
・1か月以上前から症状が続いている方
→ 3~4回ほど施術を行った後、状態維持のための定期ケアをおすすめするケースが多いです。
ただし、
- 自律神経に関わるお薬を服用されている方
- 症状が長期間続いている場合
- 強いストレス環境で生活されている方
こうした条件が重なる場合は、改善のペースがゆるやかになることもあります。
そのため当院では、初回時にお身体の状態を確認したうえで、無理のない施術計画をご提案しております。
あくまで目安として、ご参考になさってください。
おわりに バランス整体院大泉学園のアプローチ
当院は、 練馬区大泉学園で唯一の日本猫背矯正協会認定院です。

食いしばり・歯ぎしりによる首痛・肩こり・頭痛に対し、
- 猫背への姿勢アプローチ
- 深い呼吸ができる状態へ
- 首の関節調整→自律神経の安定
を軸に、根本から整える施術を行っています。
「歯が健康なまま老後を迎えたい」
「食いしばり・歯ぎしりに悩んでいる」
「どこへ行っても良くならなかった」
そんな方こそ、一度ご相談ください。最短での改善を目指し、全力でサポートいたします。
お電話やLINEネット予約で24時間受付中です!
24時間ネット予約はLINEから!
TEL 03-5935-8777
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■お知らせ
このたび、バランス整体院大泉学園の人気連載【カラダのお悩み解決コラム】が一冊の本になりました!
首・肩こり、頭痛の専門院として培ってきた知識と経験をもとに、その原因の解説からセルフケアの方法まで、分かりやすく丁寧にまとめています。
これまでお届けしてきた健康記事の総集編ともいえる内容です。ぜひお手に取って、日々の体調管理やセルフケアにお役立ていただければ幸いです。


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