はじめに
現代社会において、首や肩のこり、頭痛に悩む方は多く、
整形外科や病院での検査をしても明確な原因がわからないこともあります。
こうしたケースでは、自律神経失調症と診断され、
鎮痛剤や筋弛緩薬が処方されることが一般的です。
しかし、薬には即効性がある反面、依存性や副作用のリスクがあり、
長期的には自律神経の働きをさらに悪化させる可能性もあるそうです。
そのため、根本から改善するには、日常的な生活習慣の見直しが重要であり、
その一環として「呼吸法」が有効です。
呼吸を通じて自律神経を調整することで、体の緊張を解き、
自然なリズムで健康を保つ方法について今回は詳しく解説します。
気圧差や寒暖差などの気象の乱れ、太陽フレア、感染症ストレス、仕事ストレスなど
様々なストレス要因から身を守ることができる内容になっています。
是非、最後までご覧なってください。
自律神経とは?
自律神経は、主に心臓や内臓、血管の働きなどをコントロールしている神経系のことです。
特に、「交感神経」と「副交感神経」があり、これらのバランスが健康に密接に関わっています。
交感神経が優位になると、体が活発になるため、
ストレスや緊張によって首肩にこりや痛みが生じやすくなります。
(気象痛もこの交感神経優位が原因です)
反対に、副交感神経が優位だとリラックス状態になり、
気力が低下し、だるさを感じることもあります。
こうした自律神経のバランスが崩れると、頭痛や肩こりなどの不調を引き起こすため、
呼吸法などを通じてバランスを保つことが大切です。
寧ろ、意識的に自律神経を整えることは「呼吸法」しかありません。
呼吸法で首肩こりが改善された30代Kさんの症例ケース
Kさん(30代女性)は、デスクワークが多く、
肩こりや首の痛みが慢性的に続き、鎮痛剤が手放せない状態でした。
初診では、Kさんが緊張した状態で常に食いしばっていることが分かり、
交感神経が過剰に優位であることがうかがえました。
そこで、リラックス効果を高める「腹式呼吸法」をKさんに指導し、
当院での施術と並行して続けていただくことにしました。
施術3回目から徐々に筋肉の緊張が和らぎ始め、
5回目を迎えるころには肩や首のコリも軽減され、Kさんの表情も穏やかに。
呼吸法を使って自律神経のバランスを整えることで、体の不調が改善する好例です。
やる気を起こしたいときは「○○呼吸」
やる気が出ないときや、朝のエネルギーが不足していると感じる方には、
「胸式呼吸」が効果的です。
この呼吸法は、交感神経を活性化させ、心拍数を上げることで活動的なモードに体を切り替えます。
胸式呼吸が交感神経を優位にする理由
胸式呼吸で、胸郭が拡張し、肋骨や背骨(胸椎)が動くのですが、
これにより、背骨(胸椎)沿いに存在する交感神経スイッチ(胸部交感神経幹といいます)が活性化され、
体が「活動準備」に入るため、交感神経が刺激されやすくなるのです。
朝や仕事前にこの呼吸を行うことで、体がシャキッと目覚め、自然とやる気が湧いてくるはずです。
【方法】
- 胸を大きく開くようにして、鼻から深く息を吸い込みます。
- 胸がしっかり膨らんだら、口からゆっくりと息を吐き出します。
この呼吸を数回繰り返すだけで、体のスイッチが入り、やる気が自然と湧いてきます。
頭痛や肩こりが辛いときは「○○呼吸」
逆に、頭痛や肩こりがつらいときには、
副交感神経を優位にする「腹式呼吸」が効果的です。
この呼吸法により、リラックス状態が促進され、体が自然と落ち着きを取り戻します。
腹式呼吸が副交感神経を優位にする理由
腹式呼吸を行うと、横隔膜が大きく動き、腹腔内が膨らみ、内臓への血流が増え、
また、副交感神経のスイッチ(横隔神経といいます)が活性化されるのですが、
この状態は副交感神経を優位にし、心拍数が落ち着き、リラックス状態になりやすくなるためです。
【方法】
- 仰向けに寝るか、椅子に座りリラックスした姿勢をとります。
- 鼻から息を吸い込み、腹部が膨らむのを感じながらゆっくり吸います。
- 息を止めて数秒キープし、口から長く息を吐き出します。
天候の変化や気圧の影響(気象痛)で痛みが出やすい方にも有効なので、1度、お試しください。
気持ちを安定させ、緊張した筋肉をゆるめていく効果が期待できます。
そもそも呼吸が深く吸えない方へ
胸や背中がこわばり、そもそも呼吸が浅い方は、
整体院などで猫背矯正や姿勢バランス調整も検討してみましょう。
姿勢が悪いと胸郭が圧迫され、肺がしっかりと広がらないため、呼吸が浅くなりがちです。
これにより、脳への酸素供給が不足し、自律神経の乱れが起こりやすくなります。
当院で行っている猫背矯正は、肩甲骨と背骨の歪みを整えることで、
呼吸の深さを取り戻し、自律神経が安定しやすくなります。
呼吸が深くなることで得られるメリット
- 精神が安定し、心の落ち着きを得られる
- 脳に酸素が届き、体の活力がアップ
- 自律神経が整い、健康状態が安定しやすくなる
上記が挙げられます。
薬の長期使用によるリスク
鎮痛剤や安定剤は短期間では即効性があり役立ちますが、
長期間の服用には依存のリスクが高まります。
薬に頼りすぎると、自律神経が薬に依存しやすくなるため、
薬が切れると逆に不調が出やすくなる「反動現象」や「耐性」が起こりやすくなります。
反動現象・・・薬が切れると体が急に不調になり、症状が以前より強く出てしまうこと。例えば、睡眠薬を長く使っていると、薬が切れたときに眠れなくなるどころか、以前よりもひどい不眠になることがあります。
耐性・・・薬を続けて使ううちに体がその薬に慣れ、同じ効果を得るためにどんどん薬の量を増やさなければならなくなることです。例えば、痛み止めを長く使っていると、以前は少量で効いていたのが、だんだん効きが悪くなり、もっと多くの量が必要になります。
おわりに
日常生活の中で、自律神経を整える呼吸法を取り入れるだけで、
肩こりや頭痛の症状が楽になり、体調が改善されるケースが多くあります。
薬の助けを借りず、自分でコントロールする力を身につけることで、
健やかで快適な毎日を過ごせるようになるでしょう。
当院では国家資格を持つ整体師が、皆様のお悩みに合わせた的確なサポートを行っています。
自律神経の不調でお困りの方、呼吸法をさらに詳しく学びたい方、ぜひ当院にご相談ください。
関連記事
↑をタップください。