はじめに
最近は、某格安スポーツジムにも置かれているマッサージチェア。
マッサージチェアは、自宅で手軽に疲れを癒すための便利なツールとして広く使用されています。
特に腰痛に悩む方にとって、筋肉をほぐし血行を促進する効果が期待されるため、多くの方が愛用しています。
しかし、すべての腰痛がマッサージチェアで改善されるわけではありません。
むしろ、特定の腰痛タイプに対しては、逆に症状を悪くさせてしまうこともあります。
本記事では、実際に当整体院にご来院された
マッサージチェアによる腰痛悪化の患者症例を紹介しながら、
マッサージチェアが有効な腰痛と、逆に悪化させる腰痛について解説します。
最後に、どのような腰痛には整体のアプローチが有効かを説明し、
正しいケア方法について提案しますので、是非、腰痛に悩む方はご覧くださいませ。
マッサージチェアで腰痛悪化!40代男性Mさんの症例ケース
まず、当院で実際に施術した40代男性Mさんのケースを紹介します。
Mさんは、日常的に仕事疲れによる腰痛のためにマッサージチェアを使用していましたが、
ある日、いつものマッサージチェア後、腰に強い痛みを感じ、歩行すら困難になってしまいました。
痛みは、特に骨盤周り(仙腸関節周辺)に集中しており、当院にご来院されました。
この患者さんの痛みの原因を詳しく探ったところ、
仙腸関節部にひどい痛みと熱感(炎症)があり、仙腸関節炎の可能性を疑いました。
これは、マッサージチェアの強い圧力が仙腸関節にかかり、炎症を引き起こしていたことが考えられます。
仙腸関節は、骨盤と背骨をつなぐ重要な部分であり、特に圧力のかかり方に敏感です。
この男性は、マッサージチェアの圧力設定が強すぎたことが原因で、
この部位に過剰なストレスをかけた結果、腰痛を悪化させてしまいました。
幸い、この方の腰痛症状は整体による施術で改善されました。
具体的には、3回の施術を経て、2週間弱の期間で痛みは大幅に軽くなり、
(ぎっくり腰の治り方はぶり返さない限り、上記期間で良くなります!ご安心ください)
日常生活に支障ない状態まで快復することができました。
今回のケースは、マッサージチェアは全ての腰痛に有効でないこと、
そして、悪化させてしまう可能性もあるということを示す良い例です。
マッサージチェアが有効な腰痛タイプ
すべての腰痛がマッサージチェアに向いていないわけではなく、
腰痛タイプによってはとても効果的に痛みを軽くさせます。
以下の腰痛タイプは、マッサージチェアで安全に楽にすることができます。
筋肉の緊張による腰痛(筋筋膜性腰痛)
デスクワークや長時間の座り姿勢による筋肉の緊張が原因で起こる腰痛、
いわゆる、疲れによる腰痛にはマッサージチェアが有効です。
なぜなら、マッサージチェアが筋肉のこわばりをほぐし、
血行を良くすることで腰の筋肉のこりが緩和されるためです。
この腰痛の特徴としては、
「前かがみで腰が辛くなる」という動作痛があります。
この腰痛には、適度な振動や圧力設定は、硬くなった筋肉をほぐす効果があります。
運動後や疲労がたまった際に感じる腰痛にも有効です。
マッサージチェアで悪化する腰痛タイプ3選
次に、マッサージチェアの使用で悪化する可能性がある腰痛タイプを解説します。
これらのケースでは、専門的な治療や整体でのアプローチが効果的です。
ご参考にされてください。
関節炎による腰痛(椎間関節性腰痛)
腰の関節の炎症による腰痛タイプはマッサージチェアによって悪化する可能性があります。
この腰痛の特徴としては、
「反った時に腰が辛くなる」という動作痛があります。
これは猫背や何らかの影響で反り腰になってしまい、
関節のすき間が狭くなりぶつかってしまうことで
炎症を起こして痛みを抱える腰痛タイプで
マッサージチェアを使って、更に腰が反らされるように押されてしまう事で、
関節炎が悪化してしまい、腰痛が増すことがあります。
※正に先ほど紹介した40代男性Mさんの腰痛タイプです。
反って痛い腰痛にマッサージチェアを使用することはおすすめできません。
セルフケアとしては、炎症が早く引くようにアイシングするか、
骨盤コルセットを着用して安静にするのが一番おすすめです。
下記はオススメのコルセットです。
椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症
椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症を抱える方は、マッサージチェア使用によって悪化することがあります。
なぜなら、椎間板ヘルニアは、腰の椎間板が神経を圧迫することで強い痛みを引き起こす状態で、
マッサージチェアの強い圧力や振動は、椎間板にダメージをかけ、症状を悪化させることがあるためです。
また、脊柱管狭窄症は、脊髄を通る脊柱管が狭くなり、神経が圧迫される病状で、
このタイプの腰痛は、無理な姿勢や後ろから押される刺激が神経への圧迫をさらに強める恐れがあります。
これら2つの症状を抱える方はマッサージチェアを避けた方が無難です。
セルフケアとしては、膝抱えストレッチがオススメです。
上記、イメージ画像のようなストレッチを1日片方3分×3を3セット行えるとベストです。
腰の患部が伸ばされ、骨盤と股関節を安定させる効果が期待でき、腰痛を軽くさせることができます。
ぎっくり腰(急性腰痛)
ぎっくり腰(急性腰痛)は、マッサージチェアによって悪化することが多いです。
なぜなら、腰の炎症がマッサージされることによって、更に悪化してしまうためです。
ぎっくり腰は、腰の筋肉・靭帯・関節の損傷、そして、強い炎症を伴っている状態で、
普通の腰痛とは違いズーンとした鈍痛というよりは
ふいに「痛っ!」と感じる鋭い痛みを感じます。
これは、腰部の筋肉・靭帯・関節のうちのどれかが起こしている炎症によるもので
その炎症部分をマッサージチェアで刺激してしまうことで、
更に炎症が燃え上がってしまい、悪化させてしまいます。
ぎっくり腰になった時は、マッサージチェアの使用は控えるべきです。
セルフケアとしては、痛みが引いてくるまで、腰へのアイシングと安静がベストです。
おわりに
マッサージチェアは、腰痛ケアに役立つ一方で、
特定の腰痛タイプには不適切であり、かえって痛みを悪化させることがあります。
特に、関節炎由来の腰痛や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症のような
骨や関節、神経に関わる症状への使用は特に気を付けた方がいいです。
冒頭で紹介した40代男性の症例ケースでも見られるように、
マッサージチェアで悪化する腰痛には注意が必要です。
整体によるアプローチは、根本的な原因に働きかけることができます。
腰痛のタイプによっては、整体での専門的な治療がおすすめです。
腰痛に悩んでいる方は、一度、当院へご相談ください。
当院では、個々の症状に合わせた施術を提供し、腰痛の根本解決・早期改善に向けてサポートしています。
関連記事