はじめに 腰部脊柱管狭窄症とは?股関節の動きの低下とは?
腰部脊柱管狭窄症の方々に共通してみられる体の状態として、『股関節の動きの低下』があります。
もちろん、脊柱管狭窄症の方への整体治療中において、もっとも時間をかけるポイントが股関節です。
なぜ、狭窄症の方々の股関節の動きが悪くなりやすくなってしまうかというと、
痛くてできない腰の動きを、股関節でカバーすることが多いため、股関節や周辺の筋肉が疲れてしまい、股関節が固くなってしまうからです。
慢性腰痛をながい間、放置してしまったあとに多くみられる腰部脊柱管狭窄症ですが、
これは腰骨の中にある神経の通り道(脊柱管といいます)が、狭くなるように変形してしまう病気です。
60代~70代の方に好発する症状です。
慢性腰痛のなかで、もっとも悪いと当院は考えている症状で、
その症状の特徴としては間欠性跛行(歩いていると腰や足が辛くなるが、座れば歩き始められる)があります。
腰部脊柱管狭窄症の方に共通して、股関節の動きの低下がみられますが、
股関節の状態も悪くなりすぎると、膝関節の調子が悪くなり、間欠性跛行の症状がひどくなってしまうケースがあります。
腰部脊柱管狭窄症になってしまった方の症状を少しでも和らげるためにも、
股関節の動きの低下の対策セルフケア含め、まとめて解説していきます。
是非、最後までご覧なってください。
【対策1】臀部の『〇〇〇〇〇』トレーニング
まず、対策の1つ目としては、『スクワット』トレーニングをおこなうことです。
なぜなら、スクワットにより、殿筋(お尻の筋肉)を鍛えることで、
その筋肉がつく股関節の安定性が身に着くと同時に、
股関節を曲げる動きをおこなうことによって、股関節の圧着が行われ、動きがスムーズになるためです。
さまざまな筋肉に刺激がはいることで有効な『スクワット』ですが、腰痛関係の予防としても、非常に有効なトレーニングです。
脊柱管狭窄症も例外ではありません。
スクワットトレーニングをおこなう事によって、股関節付近に付着する大殿筋や、中殿筋を鍛えることができ、
股関節の動きを強化させ、股関節を守ることにもつながりますし、腰痛予防にもなります。
同時に、股関節を曲げることによって、股関節が圧着され、
腰椎・股関節・膝関節の連動性が良くなることで、動きの安定性をだすことができ、
腰にかかる動きの負担を、股関節や膝関節に逃がすことができます。
このスクワットトレーニングをおこなうことによって、
股関節の動きの低下を予防することができ、腰部脊柱管狭窄症の症状も和らげることにも繋がります。
スクワットトレーニングの方法としては、フルスクワットが理想ですが、
最初はきつければ半分だけしゃがむハーフスクワットでもかまいません。
イスなどを後ろに設置して、無理のない範囲でおこなっていきましょう。
少ない回数でも継続してやることが理想的です。
回数的には多いですが、ゴールは1日100回はできると効果的です(10回1セットなど小分けにして行うと〇)。
【対策2】『〇〇〇歩行』をマスターする
2つ目の対策が『前かがみ歩行』をマスターすることです。
なぜなら、この前かがみ歩行をマスターすることで、脊柱管の狭窄部分にかかるダメージが軽くなり、長い距離をあるくことができるからです。
腰部脊柱管狭窄症は、背筋を伸ばしたり、いい姿勢を続けてしまうと、腰にストレスが加わり、症状が悪化してしまいます。
これは、腰が反らされることによって、腰の脊柱管が狭まってしまうので、
元々狭くなっている脊柱管が圧迫され、狭窄がより強まってしまうことによって起きてしまうためです。
なので、背筋を伸ばしたり、いい姿勢をとらず、
逆に、前かがみ、猫背気味な姿勢をすることによって、腰部脊柱管狭窄症の症状を和らげることができます。
代表的な間欠性跛行(歩いていると腰や足が辛くなるが、座れば歩き始められる)の症状対策のためにも
有効な『前かがみ歩行』をマスターすることによって、腰の狭窄症へのダメージが軽くなります。
補足のオススメ対策としては、杖や、手押しのカートをつかって歩行することです。
見栄えは気になることがあるかもしれませんが、前かがみが自然にキープされ、前かがみ歩行が楽におこなうことができます。
【対策3】『〇〇〇体操』をおこなう
最後の3つ目の対策としては、『肩回し』体操をおこなうことです。
この肩回し体操をおこなうことによって、肩関節の動きがよくなることで、
連動して、歩く時などの股関節の動きもスムーズになるため、腰部脊柱管狭窄症にかかるダメージを和らげることができるからです。
肩関節と股関節の動きには連動性があり、同側の肩の動きと股関節の動きはリンクします。
例
左の肩の動きが悪ければ、左の股関節の動きが悪い。
右の肩の動きが良ければ、右の股関節の動きが良い。
肩の動きが悪ければ、股関節の動きも悪くなってしまい、狭窄症悪化や股関節の動きの低下の症状を強くしてしまいます。
そこで、『肩回し体操』の対策をおこなうことによって、
肩の動きをなめらかにすることで、股関節の動きをサポートすることができ、
その結果、狭窄症の症状を和らげることにもつながります。
終わりに
今回は、腰部脊柱管狭窄症になってしまった方々に共通する『股関節の動きの低下』に関連する対策を3つ紹介しました。
対策1と3に関しては、狭窄症になっていない、腰痛に悩まされている方々にも、とても有効なものなので、試してみたり、
周りの腰部脊柱管狭窄症に悩まされている方がいらっしゃいましたら、この記事を紹介してみてくださいね。
腰痛の中でも最も重症な腰部脊柱管狭窄症ですが、ご自身のセルフケアでは改善しきれないケースがいくつもあります。
当院でも、対応できる症状なので、是非、一度、ご相談ください。